巷談舎便りvol.090
梅雨明けとともに猛烈な暑さとなりました。朝から蝉の声が聞こえてきます。
宅急便のお兄さんが店に入って来るなり「あー!涼しい!束の間の天国ですね」とひとこと。
「ハンコを押す間だけでも涼んでね」
うちの荷物は大きくて重いものが多くいつも大変だと思います。
引っ越ししてから2カ月半が過ぎ、店まで通うルートが決まりました。
晴れの日は自転車で、雨の日はバスで通います。
途中に長い坂があり、いろいろなルートを試してみましたが、
どこを通っても坂を避けることができず、なるべく車の少ないルートに決定。
ただ、主人と私はまったくルートが違っていて、家を出てそれぞれが逆方向に走ります。
一度主人のルートで行こうと試してみましたが、曲がるところを間違え、
うろうろしたあげく一番きつい坂に出てしまいました。
私の方が少し遠回りになるようですが、なんとか自力で坂を登れます。
周りは電動自転車が楽でいいよと勧めてくれるのですが、
運動不足だからちょうどいいと返事をしています。
それでも必死で坂を登っている時、私よりはるかに年配の方に
追い抜かれたりすると、「暑くなってきたし、そろそろ意地を張るのをやめようかな」と
思ってしまいます。
先月6月8日(土)から15日(土)金重潤平・細川護光「若き旗手たち」を開催しました。
初日・二日と久々に金重さん・細川さんのお二人が揃い、
たくさんのお客様との会話が弾みました。
今回は食器も多く、金重さんののびやかでしっとりした土味の備前と
細川さんの焼〆・粉引・斑唐津などの対比が楽しめました。
このお二人がこれからさらに交流を深め、それぞれの窯を訪れる
ということが近いうちに実現することと思います。
来年を楽しみにしています。
今年で6回目となった「唐津からの風」。
新たに安永頼山さんが加わり、さらにパワーアップしました。
6月29日(土)〜7月6日(土)の「唐津からの風 T」では
ぐい呑・徳利・片口などの酒器と食器を中心に展示しました。
初日に竹花さん・二日目に安永さん・三日目・四日目が梶原さん
六日目に矢野さんが来てくれました。
みなさん売れっ子になり、それぞれ忙しい中
来てくれた事がとても嬉しかったです。
絵唐津・朝鮮唐津・斑唐津・黒唐津・粉引・井戸・山瀬・白瓷など
本当に種類が豊富でそれぞれの個性の違いがはっきりとしていて、
とても見ごたえがありました。
酒器の数も多く、1月のぐい呑展をまたやっているような錯覚に陥りました。
7月13日(土)〜20日(土)「 唐津からの風 U」を開催します。
こちらでは茶碗・花入を中心に展示しますが、T部の酒器も
まだまだありますので、こちらもご覧いただけます。
出品作家はT部と同じ 内村慎太郎さん・梶原靖元さん・竹花正弘さん・
安永頼山さん・矢野直人さんの5名です。
14日・15日と内村慎太郎さんが在廊の予定です。
HPでも一部御紹介しますので、こちらもご覧ください。
8月の企画展はお休みいたします。9月は岡晋吾さん・さつきさんの二人展です。
こちらは次回お知らせいたします。
訃報:先月6月7日 伊豆の長岡正巳さんがお亡くなりになられました。
64歳でした。
2009年のぐい呑100撰からお付き合いをさせていただき、
昨年6月の伊賀の笹山芳人さんとの二人展「伊賀・信楽 焼〆陶の世界」が最後となりました。
関西では初めてで、またこの企画は続けようということに
なっていました。
お酒の好きな方で、初めて主人が伺った時、「山根さん、今日はもう家に泊まっていきなさい。」
と泊めていただき、一緒に呑んだそうです。
昨年体調を崩され、入院なさっていました。
6月始めにまた入院なさっていることを知り、
お見舞いに伺う予定にしていました。
亡くなられる数日前奥様からお電話をいただきました。
「良いご縁をいただいたと主人も喜んでおりました。」という言葉を
いただきました。
短いお付き合いでしたが、私達の方こそ良いご縁ができたと嬉しかったのです。
静かで穏やかで凛とした方でした。心から御冥福をお祈りします。
巷談舎 山根幸子
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