巷談舎便りvol.089
いつもの年より10日ほど早い梅雨入り。
これからしばらくは大好きな洗濯が少し憂鬱です。
先月主人がめでたく?還暦を迎えました。
主人に内緒で娘とふたり、プレゼントを用意しました。
ひとつは真っ赤なウィンドブレーカー、もうひとつは
これまでの感謝を込めて腕時計。
ウィンドブレーカーは娘が用意してくれました。
デパートに勤めている友人にあらかじめ候補の時計を
いくつか選んでもらい、そのなかから私が選ぶということに。
毎日一緒に仕事をしているので、主人に内緒で出かけるのは
至難の業です。誕生日の前日の日曜日しかチャンスはありません。
日曜日も主人は仕事に行くはず。主人が店に行ったあと大急ぎで
デパートに行くことにしました。
ところが!なんとその日に限って主人が「今日は久々に家で
ゆっくり休むことにするよ」と言うではありませんか。
行き先は神戸ですが梅田に行くという、なんともおそまつな嘘を
ついて出かけました。
時計売り場は美術画廊の隣にあり、ここには主人と親しくしている
人たちがいます。プレゼントを渡す前に「奥さん来てたよ」と
言われては困るのでここでも見つからないようにと
なるべく背を向けるようにしていました。
無事時計を買い、売り場を後にした途端、ま正面から美術の人たちが歩いてきます。
「あーやっぱり!良く似た人がいるなあと思ってた」しっかりばれてました。
「ごめん!今日の私は見なかったことにして!」
その日の夜、これまた内緒で予約していた居酒屋さんに主人を連れ出し、
サプライズの誕生日祝いをしました。
あれほど怪しい動きをしていたにも関わらず、
全く気付いていなかったそうで、とても喜んでくれました。
5月18日(土)から25日(土)まで「唐津・田中佐次郎展」を開催しました。
今回は酒器を中心に茶碗・向付など約70点の作品が並びました。
ぐい呑だけで65点。奈万古・玉ゆら・碧水・翠洋・辰砂・斑唐津・朝鮮唐津など
色とりどりの品が並びました。
ひとつとして同じものはなく、掌中の玉のようです。
面取の大小の茶碗がありましたが、どちらも甲乙つけがたく
素晴らしい茶碗で、手にとって触れられることが嬉しかったです。
初日・二日とたくさんのお客様がいらっしゃいました。
直前まで窯焚きをされ、忙しく飛び回っていらっしゃる佐次郎先生は
疲れた様子をみじんも感じさせることなく、今年もパワー全開で
お客様の相手をしてくださいました。
先生との話を楽しみにいらっしゃった方も多く、
にぎやかな笑い声が響いた二日間でした。
ただ、先生はすべての方と十分にお話できなかったことが
残念だったようで、あとでとても気になさっていました。
人を喜ばせることがなにより好きな方なので、
心残りがあったようです。
来年はどんな作品を見せてくださるのか楽しみにしています。
さて今月は6月8日(土)から15日(土)
金重潤平・細川護光「若き旗手たち」を開催します。
昨年は細川さんが窯を新たに作っていたため、金重さんに頑張ってもらい
個展という形をとりましたが、また今年から二人展となります。
金重さんののびやかでしっとりした土味の備前。力強い窯変や艶やかな緋襷。
細川さんは熊本の土で作った焼〆と新たな窯で焚かれた唐津。
今年はどんな顔を見せてくれるのか、とても楽しみです。
ぐい呑・徳利などの酒器、花入、茶碗、食器など並びます。
8日9日はお二人ともいらっしゃいます。ぜひお越しください。
7月の企画展
6月29日(土)〜7月6日(土)唐津からの風 T
7月13日(土)〜20日(土) 唐津からの風 U
出品作家 内村慎太郎・梶原靖元・竹花正弘・安永頼山・矢野直人
こちらは次回詳しくお伝えします。
巷談舎 山根幸子
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