巷談舎便りvol.077

 

 町のあちこちであじさいの花が咲いています。梅雨を待っているかのようです。

娘がまだ小さい頃、食べたみかんや柿の種を店の庭に埋めていましたが、
みかんの木がいつの間にか伸びていき
2階に届くまでになりました。
手入れをしていないので、ひょろりと背が高いのですが、ここまで育つと
可愛く思えてきます。
先日主人がいろいろな花の種を撒きました。少しずつ芽が出てきました。
花が咲くのが
楽しみです。

 519日〜26日まで「田中佐次郎 唐津展」を開催しました。
ここ数年新たな作品を次々と世に送り出してこられましたが、
今回は唐津をテーマにお願いしました。

食器もたくさん作られたそうですが、残念ながら向付などの組食器が全滅だったそうです。
それでもたったひとつ生き残った蓮葉向付は吸い込まれるような美しさで
見事なものでした。
ぐい呑や茶碗の削りがすばらしく、
味わいのある品がたくさん並び、
見ごたえのある個展となりました。

20日・21日の二日間、佐次郎先生はいらっしゃったお客様と次々にお話しをされ、
みなさんを楽しませてくださいました。
来年も楽しい個展になりそうです。

 さて69日(土)まで 「笹山芳人・長岡正巳 伊賀・信楽 焼〆陶の世界」を
開催しています。

笹山さんは伊賀・丸柱で長岡さんは伊豆・修善寺でそれぞれお仕事をなさっています。
笹山さんの明るい緋色やゆったりとした見事な大壺、
長岡さんの焼きにこだわった深い色合いの花入れや酒器。

お二人の持ち味が存分に楽しめる二人展となりました。
初日お二人は初顔合わせでしたが、それぞれの仕事ぶりや土の話などで盛り上がり、
これからの交流が楽しみになりました。

伊賀・信楽の焼〆は一般的にはあまり知られていませんが、
土味も色合いもさまざまで備前とはまた一味違った焼〆の良さを味わうことができます。
ぜひご覧いただきたいと思います。

http://www.koudansha.jp/kikaku/1206-1/index.htm


 616日(土)〜23日(土)「備前 金重潤平展」を開催します。

昨年は熊本の細川護光さんとの二人展でしたが、細川さんは今新しい窯を作っているため、
今回は金重潤平さんにひとつふんばってもらおうということで個展をお願いしました。

長い伝統を守り続けてきた備前の地に生まれ育ち、自然な形で陶芸家となった潤平さん。
轆轤の上で土が形を変える時、いきなり浮かんでは消えるイメージを瞬間的に掴んだり、
払いのけたりしながら形をまとめていくそうです。
伸びやかな形、しっとりとした土味につややかな緋襷や力強い窯変は使い込むうちに
美しく変化していきます。
そしてそれはそのまま潤平さんがこれからどのように変わっていくかという楽しみと
重なっていきます。

616日・17日には潤平さんも来てくれます。ぜひご覧ください。

※ 次回の企画展
630日(土)〜714日(土)「唐津からの風」 
少しでも多くの作品を見ていただきたいと思い、今回は2部制で開催します。
前半630日(土)〜75日(木)「唐津からの風 梶原靖元・内村慎太郎」
後半77日(土)〜14日(土)「唐津からの風 竹花正弘・矢野直人」
店内入れ替えのため76日(金)はお休みをいただきます。

                               巷談舎  山根幸子   

 

巷談舎便り
Vol.077
2012年6月

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