巷談舎便りvol.072
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
年の初めからばたばたしていて、気がついたらすでに十日を過ぎてしまいました。
巷談舎便りをお送りするのが遅くなり申し訳ありませんでした。
今年は店を始めて25年という節目の年となります。
本当にたくさんの方々と出会い、支えていただいての25年です。
気持ちを新たにこれまで以上に皆さまに喜んでいただけるよう頑張ってまいります。
今日は悲しいお知らせをしなくてはなりません。
すでにご存じの方も多いと思いますが、唐津の中川自然坊さんが昨年12月13日に
お亡くなりになりました。
体調は決して良いとはいえない状況でしたが、突然のことでした。
2007年2月、手術のため上京する前日に一緒に食事をしました。
「最後の晩餐だ」と自然坊さんが冗談っぽく言うのでみんな笑うに笑えませんでした。
大きな手術を終え、退院し、唐津に戻り、また同じ顔ぶれで同じ店で食事をしました。
この時はみんな心から笑いました。
自然坊さんからの最後の電話があったのは12月9日でした。
虫の知らせでしょうか、なんか気になると主人が電話したのが12日の夜でした。
すでに意識がなかったそうで、その数時間後夜中の2時半に悲しい知らせが入りました。
二十数年の間、主人の唐津行きは百回をゆうに超えています。
そのほとんどが自然坊さんに会いに行くものでした。
12月17日にも会いに行くことになっていました。
病室のカレンダーには17日のところに「山根」と書いてあったそうで、
お弟子さんたちから「山根が来る」と先生は楽しみにしていたと聞きました。
主人は自然坊さんが骨になるのをしっかりと見届けて帰ってきました。
日が経つに連れてさみしさが増してくるようで、
「自然坊から電話がかかってこないなんて、なんか変なかんじがする。」と
言っています。
前へ前へと突き進む人でした。裏表のないストレートな人でした。
まだまだ書きたいことは山ほどありますが、またお話する機会もあると思うので、
このくらいで止めておきます。
心からご冥福をお祈りします。
さて今年初めの企画展は毎年恒例の「ぐい呑100撰」です。
期間は1月21日(土)から29日(日)までです。
今回初めて出品してくださるのは丹波の今西公彦さん、大分の菊池 克さん、
滋賀の神農 巌さん、京都の長元 宏さん、愛知の米田萬太郎さん、
コロラドの大庭一仁さん、漆の石畑哲雄さんの7名です。
また備前の金重晃介さん、秩父の黒澤有一さん、有田の草場勇次さんは
2年ぶりの登場となります。
陶器・磁器・ガラス・漆・銀など総勢50名です。
年代も30代から70代までと幅ひろく、多種多彩な酒器が並びます。
すでに届いたものもあり、店の中はぐい呑で埋まりつつあります。
この調子でいくと、今回は600点くらいになりそうです。
今年も楽しんでいただけると思います。ぜひご覧ください。
また、HPでも一部をアップしますので、こちらもどうぞご覧ください。
巷談舎 山根幸子
|