巷談舎便りvol.067

 夏休みに入り、近くの小学校のプールからこどもたちの歓声が聞こえてきます。

この年になっても夏休みと聞くとなんとなく嬉しくなってしまいます。
こどもの頃ラジオ体操は近くの神社の境内で行われていて、眠いけれどはんこが
並んでいくのが嬉しかったものです。

端から無理な計画表を作り、壁に貼り、夏休みの初めのうちは計画表に従って
朝の涼しい時間に「夏休みの友」をしたりもしますが、すぐにペースダウン。
読書感想文や工作は新学期を目の前にほとんど半泣き状態でやっていました。
今でも確定申告はぎりぎりで「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものだと思います。

 近くに旭川という川が流れていて、橋の下に小さな砂浜があり私達こどもの
格好の遊び場になっていました。もちろん階段などないので、途中に生えている
木の枝につかまりながら登ったり下りたりしていました。

お城の石垣に忍者(赤影)になったつもりでよじ登ったり、ひたすら自転車で走り、
どこかわからない山の中に入ってターザンごっこをしたり、こどもたちだけで
どこにでも行っていました。
地図も時計も持っていませんし、今から考えるとかなり危ないことをしてましたが、
こどもにはこどもの世界とルールがあり、おとなにあまり干渉されることなく
過ごしたように思います。
時代がよかったのかもしれません。

 

 さて8月は820日(土)から25日(木)まで豊川忠宏「青のイス展」を開催します。

通称「とよやん」こと豊川忠宏さんとは出会って23年。
いつも「とよやんでーす。」と言って電話がかかってきます。
もともとは木工作家ですが、演劇やコンサート会場の舞台作り、店舗デザインと施工で
かなり名前の知られた人でもあります。
枕木などの廃材をうまく使うのが得意です。私達の店を改装する時もそれまで
使っていた展示台を「想いがあるだろうから」とひとつも無駄にすることなく
使ってくれました。

20年位前に一度豊川さんの作品展をしたことがあります。
5cm刻みで高さの違う椅子がずらりと並びました。

豊川さんは昨年工房を豊中から能勢に移しました。
仕事ができる環境を整えるためです。

今回椅子・机・おもちゃなどの作品が並ぶ予定です。
相変わらず色々な仕事を抱え多忙な豊川さんですが、
店がどんなふうに変わるのか
とても楽しみです。

ぜひご覧ください。

 9月の企画展 93日(土)から10日(土)
「谷野明夫・田中淳貴 二人展 −刻−」を開催します。

谷野さんは信楽で長く作陶を続けている方で、私たちが店を始めた時から
付き合いをしている作家のひとりです。

田中さんは谷野さんの紹介で知り合った若い作家で2006年に豊中に工房を構えました。

谷野さんの堆彩シリーズは線彫りした中に彩色した化粧土を象嵌していく技法で、
細かい技がぎゅっと詰まっていてとても素敵です。
実は個人的に谷野さんの器が好きで、家では結構使っています。

田中さんは今回化粧土をスポイド状の道具で絞り出し、表面に線文を盛り上げる
いっちんという技法を使った花器が
DMに使われています。

ひとつひとつの作業に思いや時が刻まれているような気がします。

備前や唐津の土味もやきものの楽しみですが、細かな技法や色を使ったものも
陶芸の楽しさを教えてくれます。

ぜひご覧ください。

次回二人展の様子は詳しくお伝えします。

8月の休業日 810日(水)から17日(水) 
          826日(金)から28日(日)

                        巷談舎  山根幸子

巷談舎便り
Vol.067
2011年8月

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