巷談舎便り
Vol.052
2010年4月



                       巷談舎便りvol.051

 4月は雨で始まりました。公園の桜も心なしか寂しげです。
3月の巷談舎便りを書いた後、また冬に逆戻りの寒さになったり、雨が降ったりで、
なかなか春が来た感じがしませんでした。

 3月は6日(土)〜13()「土と炎の宴」を20()27()「草場勇次・奈美子
 練り上げの世界」を開催しました。

「土と炎の宴」は唐津の中川自然坊さん・備前の川端文男さん・丹波の西端 正さんの
新作が並びました。
静かで優しい自然坊さんの新作の粉引。紐作りとは思えない川端さんの自然練込の
美しくシャープなライン。
西端さんの赤土部釉の印象的な赤。
それぞれの目指すところは違っても、薪の窯ならではの力強さや味わい深さは
心揺さぶられる思いがします。

「草場勇次・奈美子 練り上げの世界」では初めて陶芸教室を開催しました。
ピンク・黄色・みどり・紫・青に彩色した磁土が用意され、その色土を使って
花や市松模様などを作り、白い磁土に埋め込んでいきます。
2時間かけてカップ・ボウル・皿のなかから1点を作りあげます。
予想外に男性の参加者が多く、みなさんなかなかの力作ぞろい。
「こんなに楽しいとは思わなかった。」との声をいただき、とても嬉しかったです。

また、草場さん夫妻の細やかな対応を目にし、お客様を喜ばせたいという思いを感じ、
私たちもとても勉強になりました。
焼き上がりは
5月末。今からとても楽しみです。

さて今月の企画展です。
43日(土)〜10()「荒川尚也 ガラスが語りかけるもの」
424()51()「小坂 明・十時啓悦・藤井憲之 My Favorite Things
(
私のお気に入り)」を開催します。

荒川さんは店を始めた時からのお付き合いですが、個展は今回初めてとなります。
私たちの店では普段グラスやボウルなどの食器を中心に置いていますが、
定番のうつわ以外に
荒川さんが最近手がけているガラスの素材でのいろいろな試みを
ぜひ見たいと思い、企画しました。

3月に荒川さんが打ち合わせのため来店し、店の写真を何枚も撮って帰り、
電話や
FAXで棚の寸法や照明のチェックを何度もしました。
荒川さんの頭の中にはどんな絵が描かれているのか、荒川さんの作品によって
私たちの店がどんな風に様変わりするのか、ぜひご覧いただきたいと思います。
荒川尚也さんについてはこちらをご覧ください。(
2007713日掲載分)http://www.koudansha.jp/sankei/0707.htm

小坂さん・十時さん・藤井さんの三人展は4年ぶりです。
磁器も陶器も手がける小坂さん・漆の十時さん・磁器の藤井さんは長年にわたって
うつわを作り続けてきました。

小坂さんと十時さんが電話で「ここらでそろそろ原点に戻ろうか」と話していた頃、
主人が私に「それぞれのお気に入りを作ってもらおうか」と。
私は私でなぜか朝からタイトル「
My Favorite Things」が思い浮かんでおり、
奇しくも同じことを考えていたことがわかりました。
小坂さんはめし碗や湯呑・十時さんは漆の椀や皿・藤井さんはマグカップなど登場します。

こちらもぜひご覧ください。

5月の企画展のお知らせ

58()12()   田中佐次郎   酒器

522()29() 金重潤平・西端大備・細川護光 三人展

                         巷談舎 山根幸子

 


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