巷談舎便り
Vol.044
2009年8月


巷談舎便りvol.044 

  長かった梅雨もようやく開けました。今年漬けた梅の土用干しはこれからの
天気次第になりそうです。

81日から5日まで主人とふたりで唐津に行ってきました。私は一年ぶりの唐津です。
まず自然坊さんのお宅に直行。自然坊さんはやきものの話を熱く熱く語り、
駄洒落も飛び出し自然坊節は健在。時間があっという間に過ぎました。

二日目は朝から岡さんの工房にお邪魔し、10月の個展の打ち合わせと写真撮り用の
作品を選んで帰りました。
この日は梶原靖元さん夫妻からバーベキューをするので是非どうぞとお誘いを受け、
夕方からお邪魔しました。
梶原さんの友達も集まり、古唐津の話で盛り上がり、私は梶原さんが韓国に行った時の話で
久々に涙が出るほど笑いました。
韓国通の梶原さんお手製のキムチやチヂミをいただき、こどもたちのスイカ割りもありと
盛りだくさんでした。

三日目は武雄温泉の東洋館さんへ行きました。夜、井上浩一さん・草場勇次さん夫妻と
会う約束をしていましたが、早めに着いたのでおかみさんお勧めの「武雄の大楠」を
見に出かけました。
10分ほど歩いて武雄神社に到着。
お参りを済ませ、神社から坂道を登っていくと突然大楠が現れました。
うっそうとした木々を従えて、予想をはるかに超えた巨木がそびえていました。
目にした途端、鳥肌が立ちました。「畏れ」というのはこんな感じかなと思いました。
この楠は樹齢
3000年、高さ30メートル、幹周り20メートルだそうです。
簡単に近寄れない、人知を超えたものがあるということを感じました。

最終日は内村慎太郎さんの工房に行きました。昨年雷山という山の中に工房を作りました。
内村さん夫妻に千如寺というお寺に連れて行ってもらいました。
ここには十一面千手千眼観音菩薩が祀られています。
拝観だけのつもりで行きましたが、ご祈祷をしてくださるというので座ると
目の前の扉が開き
5メートル近くの大きな観音菩薩が現れました。
ご祈祷の後、観音様を間近に見せていただき、ひとつひとつの手のひらに描かれた目まで
しっかりと見ることができました。
手を伸ばせば簡単に触れるくらいに近寄ったのは初めてのことでとても感激しました。
前日の大楠といい、この日の観音菩薩といい、今回はやきもの以外で予想外の
楽しい旅になりました。

 

 次回の企画展は95日(土)〜12日(土)まで「藤井憲之 食彩のうつわ」を
開催します。
藤井さんは巷談舎ではすっかりおなじみの方ですが、個展は今回が初めてとなります。
藤井さんの作るシャープな形の青白磁や柔らかなラインの白磁の器は料理をより美しく引き立たせてくれます。
今回のDMは豊中の名店「桜会」の満田さんの料理を盛り込んで撮影しました。
50種類のうつわが登場します。
食器のスペシャリスト
藤井さんの個展、是非ご覧ください。(作家在廊日 5日・6日)

                        

                               巷談舎 山根幸子  


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