巷談舎便りvol.035
街中の木々も色づきはじめ、秋が色濃くなってきました。
先日、漆の教室の先生と仲間たちと京都に行ってきました。
朝から待ち合わせ、まず漆屋さんにお邪魔しました。ここは先生が若いときから
懇意になさっているお店で、漆の製造と販売・漆芸に必要な道具の販売を
なさっています。お忙しい中、ご主人自ら奥の工場で漆の樹液を精製する過程を
見せてくださいました。
工場の中は漆の入った桶がたくさん並び、桶の内側は漆を吸ってとてもきれいでした。
かねてから欲しかったぐい呑やお盆の木地、螺鈿用の貝を買いましたが、
さて完成はいつになるのやら・・・
午後からは「蒔絵」の展覧会を見るため京都国立博物館へ向かいました。
平安時代から昭和のはじめまでの蒔絵の作品が約280点。
フランス・イギリス・デンマークなど海外の美術館所蔵の作品が多数あり、
本当に見ごたえがありました。
ひとつひとつの蒔絵の美しさにため息ばかり、時間が経つのも忘れて
見入ってしまいました。
先生の引率でてくてく歩きながらにぎやかに笑い、しゃべり、まるで遠足のよう。
とても楽しい一日でした。
10月11日から18日まで「備前の景色」川端文男・脇本博之二人展を開催しました。
川端さんは窯出ししたばかりの自然練込の茶碗や花入・ぐい呑や徳利などの
酒器を中心に約50点、脇本さんは3年くらい前から取り組んでいる
刳り貫きの香炉を中心に花入や酒器が約40点並びました。
ひとくちに備前といってもそれぞれが自分の作りたい作品にあわせて
土つくりをします。また窯詰めのときにどこに何を置くかによってその作品が
どういう仕上がりになるのかをある程度予測して並べます。
繊細な緋襷や力強い窯変・土味を生かした焼けや造形など、
いらしてくださったお客様には備前の魅力を感じていただけたことと思います。
さて、次回の企画展は12月20日(土)〜27日(土)まで「干支展」を開催します。
毎年年末から翌年のぐい呑展まで干支の人形や豆皿などを並べていますが、
今年は奥の和室で「干支展」をすることにしました。
来年の干支の「丑」にちなんだ人形や皿などが並びます。
出品作家は石原將安さん(陶)・川井ミカコさん(陶)・藤吉憲典さん(磁)・
山田裕子さん(ガラス)他
いろんな「うし」が登場します。
楽しい企画展になると思いますので、是非ご覧ください。
また、期間中はホームページでもご紹介します。
巷談舎 山根幸子
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