巷談舎便りvol.034
朝夕涼しくなり、毛布のあたたかさやお風呂につかるのが心地よく
感じられるようになりました。
先日、備前の川端さんの奥様手作りの栗の渋皮煮をいただきました。
毎年10月の窯だしの時にいただくのですが、私が大好きなのをご存知で、
主人に持たせてくださいます。秋を感じながら、おいしくいただきます。
9月20日から27日までの「岡 晋吾展」無事に終えました。
岡さんとはかれこれ10年くらいのお付き合いになりますが、個展は今回が初めて。
10月・11月とたくさんの個展を抱え、目のまわるような忙しさの中、
こちらの予想をはるかに超えた点数の作品が並びました。
今回は来てもらうのは無理かなと思っていたところ、前日の夜仕事を終え、
その足で新幹線に飛び乗り大阪まで来てくれました。
夜、ドアを開けると缶ビールと焼酎とおつまみを土産に持った岡さんの姿が。
いつもの笑顔で「来たよー。」
初日は岡さんの説明つきで、いらっしゃったお客さまたちにも喜んでいただけたと
思います。
岡さんの食器はとても料理映えがよく、白磁・安南・染付け・色絵に加え
鉄絵の土ものなど多種多様で個人的にも欲しいものだらけでした。
今春築いた薪窯で焚いた作品も並び、さらに奥行きが感じられました。
次の個展も楽しみです。
さて、10月11日から18日まで「備前の景色」川端文男・脇本博之二人展を開催します。
私たちが備前を語るときに欠かすことのできないおふたりです。
備前の面白さを教えてくださったのもこの方たちです。
窯焚きは年に一度、それまでの期間は土作りや成形に専念します。
ベテランとは言え、窯焚きは一発勝負。
そのときの気候や天候などの条件は毎年違います。
備前の土はゆっくりと時間をかけて温度をあげていかないとしっかり
焼締まらないため、他の産地よりはるかに長い時間を要します。
土作りや窯焚きの様子はこちらをご覧ください。http://www.koudansha.jp/bizen/index.html
川端さんは穴窯で成形はすべて紐作り。
脇本さんは登り窯で轆轤や型での成形です。
造形の確かさや焼きの美しさでは定評のあるおふたり。
奈良時代に始まり、約千年の時を超え絶えることなく現代に受け継がれてきた備前焼。
無釉・焼〆によって引き出された土味は使い込むほどに味わいを増します。
今回はぐい呑・徳利などの酒器や花入を中心に約80点展示します。
備前焼の魅力をあらためて感じていただければと思います。
また、期間中ホームページで写真もアップしますので、そちらもご覧ください。
巷談舎 山根幸子
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