巷談舎便りvol.022
ようやく秋らしくなりました。長い長い夏でした。
先月の便りを書いた時はほんの少し涼しくなっていたのに、また真夏に逆戻り。
自然に文句を言ってもどうしようもありませんが、毎日天気予報を見てうんざり
したのは私だけではなかったと思います。
先日主人の母から電話があり、たくさんの柿が落ちてしまったとのこと。
色づくのが早いと思ったら、この夏の暑さのせいか柿の表面が茶色く変色して
いたそうです。
毎年母が送ってくれる柿を楽しみにしていたのでとても残念です。
29日に浅野寛さんの個展が無事に終わりました。
今回はDMで紹介した線文の食器や花器を中心に作ってくださいました。
浅野さんの線文は線を描いているのではなく、一本一本の線を彫っています。
あらかじめ線を引いてから彫るわけではないので線の間隔が微妙に違っていますが、
それが味になっています。
軽くてたっぷり入るマグカップは特に好評でした。
浅野さんは料理の腕もなかなかのもので(魚をさばくのは浅野さんの
仕事だそうです)お客様の途切れた間は食べ物の話で結構盛り上がりました。
浅野さんのことをこちらで詳しく書いています。興味のある方はどうぞご覧ください。http://www.koudansha.jp/zassi/sankei/0709.htm
個展の期間中にKさんから電話がありました。病院からでした。
「実は7月の終わりに倒れて、今入院してます。心配してるんじゃないかと思って
電話しました。もうお酒は呑めなくなったけど、退院したらまた行きますね。」
Kさんは私たちがぐい呑を集めるきっかけになった方です。
ぐい呑・徳利のコレクターでお酒をこよなく愛する優しい方です。
いつも自転車でいらっしゃり、一つ一つの品をそれはそれは丁寧に楽しそうに
見られます。
この3ヶ月お見えにならないのでおかしいなと思っていました。
店を始めて20年、私たちが年を重ねたようにお客様もまた年を重ねていくのだと
改めて感じました。
Kさんの体調がよくなりお見えになる日を楽しみに待つことにします。
さて、今月は10月27日(土)〜11月3日(土)まで「炎の宴 備前・唐津・丹波」
を開催します。
おかげさまでこの11月22日、店を始めて満20年を迎えます。
今年最後の企画展はやはりこの三人の方にお願いするしかないと思います。
備前は川端文男さん・唐津は中川自然坊さん・丹波は西端 正さんです。
ほとんど右も左もわからない私たちに「土もの」のよさや作り手としての姿勢を
教えてくださった方たちです。
それぞれに目指すものは違いますが、土を吟味し、形を作り、炎で生命を吹き込む。
薪の窯ならではの味や迫力が見る人に感動を与えます。
どんな作品が届くのかとても楽しみです。是非ご覧ください。
また、期間中ホームページで写真もアップしますので、そちらもご覧ください。
巷談舎 山根幸子
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