巷談舎便り
Vol.018
2007年6月

巷談舎便りvol.018

 

 大阪の阿倍野に舎林さんという漆の専門店があります。
漆を習ったことがきっかけで、漆の虜となった
Yさんが漆の良さを少しでも多くの人に
知ってもらいたいと三年前に始められたお店です。
やきもの専門のギャラリーや店はたくさんありますが、漆の専門店というのは
産地以外ではなかなかありません。
各地のいろんな作家の作品に出会うことができ、扱い方も丁寧に教えてもらえる
貴重なお店です。

ここで私は月に3回漆を習っています。毎回34時間ほど漆と格闘(?)していますが、
これが本当に楽しいのです。先生は京都芸大を退官なさった
F先生。
ダンディーで優しくて飄々としていらっしゃいます。
クラスのメンバーもよくぞこれほど揃ったもんだと思うほど面白い人たちの集まりで、
往復
2時間の道のりも苦になりません。
「楽しそうにしているのが嬉しい。」と言って、教室のある日は一日店番をして
くれる主人に感謝。漆を習う場を提供してくださった
Yさんに感謝。
根気よく丁寧に且つとっても楽しく教えてくださる
F先生に感謝です。

 

 さて、2日で「食彩のうつわ」が終わります。食器のスペシャリストのお二人の作品が
一同に並んだわけですが、こちらの狙い通りの出来栄えでした。
多くを語らず静かで暖かな上原さんの器と手の込んだ意欲的な岡さんの器。
どちらもとても魅力的で味のある器ばかりでした。

27日には上原さんがわざわざ来てくださいました。上原さんと長年お付き合いの
あるお客様が京都や東京から来てくださり、その方たちとのやりとりの端々に
上原さんの
人柄がうかがえ、お付き合いの始まったばかりの私もこれから長いお付き合いを
したいなと思いました。

 

 今月は623日から瀬戸の田代尚照さんと熊本の友枝 敏さんの二人展です。
田代さんは線彫りしたなかに呉須を入れて描く「象嵌染付」で従来の染付とは
ひと味違った作品を作っています。
この象嵌染付が出来るまでに長い試行錯誤の日々がありました。

友枝さんは私たちが最も古くからお付き合いしている作家のひとりです。
愛らしい古典柄をモチーフに赤・黄・緑・紫などの色を自在に操り緻密な赤絵で
見る人を楽しませてくれます。

今回は「描く」をテーマにこのお二人の二人展です。
作品が届き次第、アップします。彩りゆたかな作品展、是非ご覧ください。

 

 7月は内田鋼一さんの個展を企画しています。実に4年ぶりの個展です。
どんな作品が
登場するか、今から楽しみです。次回詳しくお伝えします。

 

                             巷談舎 山根幸子

  

 

 

 

 

 

                    

 

                     

                  


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