巷談舎便り
Vol.014
2007年 2月

巷談舎便りvol.014

 

 2月3日、無事に「ぐい呑100撰」が終わりました。
今年もたくさんのぐい呑ファンがお見えになり楽しい一週間でした

 ぐい呑
100撰で思い出すのは、12年前の阪神大震災の時のことです。
店がどんな状態になっているのか見るのが怖く、午後になってから店に行き、
無残な状態に言葉も見つかりませんでした。のろのろと片付けをしていると、
お客様の
Nさんが「お手伝いします。」と入っていらっしゃいました。
ご自分の家も大変なのに、「巷談舎が心配で心配で、じっとしていられなくて来ました。」
とりあえず、店の中を片付け、お帰りになる時に後頭部に血がついているのが見えました。
頭に怪我をされていたのです。ご自分でも気が付いていらっしゃらなかったようで、
ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちで一杯になりました。

ぐい呑100撰のDMはもうすでに出し終えていましたし、何人かの作家の方たちからは
荷物も届いていましたが、開ける気にもなれず初日を迎えてしまいました。
当日、
Y君が現れました。
「ぐい呑展、やらないんですか?せっかく届いているのに。やりましょうよ。
僕が手伝います。」
Y君はてきぱきと荷物を開け、ぐずぐずしている私たちを尻目に
次々と並べはじめました。
こうして
12年前のぐい呑100撰は、片面の棚2段で収まるくらいにささやかではありますが
開催されました.

 作家の方たちからもたくさんの励ましの電話や手紙を添えた荷物を送ってもらい、
何度泣いたかわかりません。
「ぐい呑
100撰」は私たちの原点ともいえます。

 さて、今月は224日から「備前の景色」という備前の作家の方たちの作品を
集めた
企画展をおこないます。
土と炎から生まれ使い込むほどに美しくなる備前。黒い備前・
赤い備前・白い備前など
表情も多彩です。

今回は川端文男さんの弟子、豊福 博さんの初窯の作品も登場します。
初窯というのは文字どおり独立した作家にとって初めて焚いた窯で、特別なものです。
その窯出しに立ち会えるというのは、私たちにとっても大変貴重で
嬉しいものです。
どんな作品と出会えるのか楽しみです。

20日過ぎから少しずつご紹介できると思います。

  お知らせ・・・26日(火)〜19日(月)までお店をお休みさせていただきます。
遅い新婚旅行です。嘘です。
残念ながら仕入れと仕事のため二人で備前経由で唐津・有田・武雄をまわってきます。
(途中でけんかしないようにねと娘に釘をさされました・・・)

仕事の内容はこちらです。http://www2.saganet.ne.jp/toyokan/ 

 次回、いろいろな土産話をお届けします。

                            巷談舎  山根幸子

 

                  


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