巷談舎便り
Vol.010
2006年 10月

巷談舎便りvol.010

 

 9月の三窯展のために初めて店を閉めて唐津に行ってきました。
普段は主人ひとりで行くのですが、自然坊さんの「奥さんも一緒に連れておいで。」
とのありがたい一言で急遽決定。

 初日は自然坊さんの友人でもあるお寺の住職さんのGさんが唐津をあちこち
案内してくださり、夕方自然坊さんの所へ。
相変わらず、エネルギッシュな仕事ぶり。
できたばかりの絵唐津の茶碗を見せていただき、
1服。
おおらかな茶碗でした。
三窯展のための仕入れを済ませ、自然坊さん夫妻、
Gさん私たちの5人で食事に行きました。
自然坊さんに呑んでもらおうと思って持って行った十四代ですが、
結局みんなで呑むことに・・・。
確かにおいしかったです。

 次の朝一番に岡晋吾さんの工房へ。ひとしきりおしゃべりをした後吉木文志さんの工房、
土の神様坂本さんの仕事場へそれぞれお邪魔しました。
昼すぎ、武雄に向けて出発。
武雄の井上浩一さんのお宅へ伺いました。
武雄も有田も初めての私のために井上さんが
連れて行ってくださったのが
土を作っている松貢陶土の松尾さんの工場。
松尾さんは磁器土を作るための工程を説明するため全部の機械を動かしてくださいました。

次は県立九州
陶磁文化館。以前から念願の柴田夫妻コレクションを見ることができました。

最後は有田の草場勇次・奈美子さんの工房に伺い、見学。
夜は井上さん・松尾さん・草場さんと武雄温泉の福太朗さんで食事。
この日は主人の定宿東洋館さんに泊まり、ゆっくりと温泉につかりました。

朝、出発前に素敵なおかみさんとゆっくりお話ができ、「車の中で召し上がってください。」
とお菓子までいただいてしまいました。

行く先々であたたかく迎えてもらい、感激の連続でした。この十数年、主人は年に4
九州に行くのですが、その間にたくさんの大切なつながりができていったのだと
改めて感じました。
右も左もわからない状態で始めた巷談舎ですが、
20年近くの間に宝物が増えていたのです。

 さて、107日からは名古屋の石原將安さんの個展です。石原さんとはお付き合いも古く、
もう
20年近くなります。
名古屋と長野に仕事場があり、今回は主に長野の仕事場で
作られた作品です。
もともとは大学で彫刻を学び、陶芸は全くの独学。
どっぷり陶芸につかっていないことに加え、物事にとらわれない人柄が
独特の作品を生み出すのだと思います。
石原さんの絵付けを見ているとなにより一番楽しんでいるのは石原さん自身
だということがわかります。

今回は織部の蓋ものを中心に展開します。香炉から大きな箱まで、
使い方もいろいろありそうで私も荷物が届くのが楽しみです。
作品が届き次第、
HP上でアップします。

石原さんは初日107日にいらっしゃいます。

石原將安陶展はこちらからご覧ください。

http://www.koudansha.jp/kikaku/0610/index.html

                  巷談舎  山根幸子


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