巷談舎便りvol.076

 

 楽しみにしていたゴールデンウイークが終わり、いつもの日々が戻ってきました。

51日からお休みをいただき、主人の実家に帰りました。
父の
13回忌と母の米寿の祝いをするためです。
主人の兄姉3家族が集まりました。

母へのプレゼントを何にするかでみんな頭を悩ませました。

「何にもいらない」が母の口癖です。
話をする犬や猫のぬいぐるみが一人暮らしのお年寄りに慰めを与えると
いうのを
テレビで見たのを思い出しました。
兄に伝えるとダメもとで注文してみるとのこと。
足が悪いので転びにくい靴も一緒にプレゼントすることにしました。
あとはそれぞれの家族の写真を貼り、寄せ書きを書いた色紙を準備しました。
母が留守の間に姉夫婦は色紙の仕上げを、兄は犬のロボットの設定を始めましたが、
これが思った以上に複雑で機能が多い。
おまけに耳の遠い母に犬の話す声が聞こえないかも・・・
「いらない」と言われるか喜ぶかどちらかひとつに賭けてみるしかありません。

法事が終わり、いよいよサプライズの米寿祝い。

犬を見た途端母が「怖い!」と一声。
犬・猫はぬいぐるみでも怖いそうで、さすがにこれは誰も予測していませんでした。
それでもみんなで寄せ書きをした色紙はとても喜んでくれ、涙を浮かべて丁寧に
読んでくれました。

兄弟で互いの近況を話し、久しぶりにのんびりした時間を過ごすことができました。

 さて47日から「古賀雄二郎・吉井史郎 白のうつわ・黒のうつわ」を
21日から「ガラスが語りかけるもの」をそれぞれ開催しました。

古賀さんのシンプルな粉引・吉井さんの深い味わいの玄釉の器はいろいろな用途に使え、
他の器を並べても
とてもしっくり来るものばかり。
食器の原点を見た気がしました。

次のガラス展は使うものというより飾るもの・眺めるものということをテーマに
出品してもらいました。
吹きガラスの枠を超えた荒川さんの作品は力に満ち、ガラスに対する意気込みを感じました。
小池さんの着ぐるみシリーズの新作Bambinaは小鹿をイメージしたもので、
静かで優しく愛らしく、心を癒されました。
渡邊さんの切子、積層シリーズもまた、従来の切子のイメージを覆すもので、
覗き込むと光のシャワーを浴びたような気がします。
同じ素材からこれほどさまざまな表現ができるガラスの魅力を再認識した企画展でした。

 今月は 519()26日(土)「田中佐次郎 唐津展」を開催します。
近年独自のやきものを手がけて来られた佐次郎先生ですが、今回はこちらのわがままで
「唐津焼」をお願いしました。
唐津の水野旅館さんに行くたび、佐次郎先生が以前作られた唐津の器が登場します。
その器が忘れられないため、今回無理を承知でお願いしたところ、
「いいともー!」と快く引き受けてくださいました。


517日に窯出しのため主人が唐津へ向かいます。いつものようにぎりぎりです。

どんな佐次郎唐津ができあがっているのか、私達も楽しみです。

佐次郎先生は20日にいらっしゃいます。
先生のお話や唄も交えた楽しい個展になると思います。

HPでも一部ご紹介いたしますが、ぜひこの機会にお越しください。

6月の企画展のお知らせ  

      62日(土)〜9日(土)「笹山芳人・長岡正己 伊賀・信楽展」

       616() 〜23() 「備前 金重潤平展」をそれぞれ開催します。

こちらは次回詳しくお話します。


                                         巷談舎  山根幸子

 

巷談舎便り
Vol.076
2012年5月

戻 る Home