巷談舎便りvol.073

 一月半ばにAさんからいただいた白梅が小さな蕾を付けています。
寒さのせいか蕾が固く、咲く気配が
いっこうになかったのですが、寒さが緩んだ一昨日
やっと蕾が膨らんできました。早く咲かないかなあ・・

主人が自然坊さんの訃報をブログに書いて以来、たくさんのお客様が主人を元気づけに
来てくださいました。
皆さん直接口に出してはおっしゃらないけれど、
心配してくださっているのがしっかりと伝わってきます。

先日のぐい呑100撰の時も「そば切り からに」の橋本君が「大将いる?」と言って
来てくれました。あいにく主人が留守で、いないとわかると
「なんやー!せっかく元気だしてもらおうと思って来たのに!」と残念がっていました。
明るく直球のいいやつです。
本当に皆さんありがとうございます。主人はしあわせものです。

さて今年初めの企画展は毎年恒例の「ぐい呑100撰」無事に終わりました。
陶器・磁器・ガラス・漆器・銀と今回は例年以上に種類・点数ともに多く600点を
はるかに超える酒器が集まりました。
そのため初日にすべての品を並べることができず、お買い上げの品を持って帰っていただき
空いたスペースに次の酒器を並べていきました。

ぐい呑100撰はお祭りのような熱気に包まれます。
お気に入りの一品を探しに来られる方々のエネルギーに圧倒されます。
遠方の方も多く、今年は三重県・徳島県・愛知県・東京からそれぞれ来てくださいました。

今回は特に料理屋さんと若い女性の姿が多かったように思います。

偶然居合わせたNさんとNさん、話をしているうちに同じ高校の同級生だったことがわかり
びっくり。その後は先生の話で盛り上がっていました。
ちなみに蕎麦屋の「あたりや」の土井さんはこのお二人の後輩になります。

初めて出品の丹波の今西公彦さん、大分の菊池 克さんが期間中店に顔を出してくれました。毎年来てくれる岐阜の小澤順一さん、今年もやっぱり来てくれました。

伸び盛りの若い作家も多く、これからの活躍がとても楽しみです。
「これだけの数が揃うと、一度に見るのは大変だ」という声も多く聞かれ、来年は期間を
2週間にすることが決まりました。
来年はどんな酒器が集まるのか楽しみです。

 

 今月は2月24日(土)から3月3日(土)まで「備前の景色」を開催します。
出品作家は川端文男さん・黒田儀男さん・豊福 博さん・脇本博之さん

私たちのやきもの屋としての25年の間、備前は一番身近で数多く訪れた場所でもあります。
決して広いとは言えない地域に400軒を超える窯元が点在しています。
私たちが付き合っている作家は皆十カ月から一年に一度窯を焚きます。
土作りから始まり、成形、窯詰め、窯焚き、窯出しまでにこれほどの時間がかかります。
一人の作家が独立してから引退するまでの窯焚きの回数は他の産地に比べると
格段に少ないことになります。

これは他には見られないスパンの長さと言えます。

奈良時代に始まり、約千年の時を超え絶えることなく現代に受け継がれてきた備前焼。
無釉・焼〆によって引き出された土味は使い込むほどに味わいを増します。
今回はぐい呑・徳利などの酒器や花入を中心に約
70点展示します。
備前焼の魅力をあらためて感じていただければと思います。

ホームページでも一部アップしますのでこちらもご覧ください。

3月の企画展

310日(土)〜17日(土)
小坂 明・十時啓悦・藤井憲之「
My Favorite Things−私のお気に入り―」

324日(土)〜31日(土)
草場勇次・奈美子「練上の世界」

こちらは次回詳しくお伝えします。               

                                            巷談舎  山根幸子

 

巷談舎便り
Vol.073
2012年2月

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