巷談舎便り
Vol.030
2008年 6月


巷談舎便りvol.030

 

 昨日梅雨入りが発表されました。このひと月暑かったり、寒かったり、
雨が多かったりで、いつもの
5月らしい爽やかな季節が跳んでしまったような
気がします。

 先日、主人が京都の高山正道さんふたりで京丹後市の「縄屋」さんに行ってきました。
縄屋さんの吉岡君と出会ったのは彼が
19歳の時です。
当時、彼は京都の和久傳さんで修業中。なんと自転車で京都から来たのです。
これには本当にびっくりしました。帰りも当然自転車。
「気をつけて帰ってね。帰ったら連絡ちょうだいね。」
夜、帰路の途中にある先輩の家までたどり着いたとの連絡があり、ほっとしました。

修業を終え、故郷に戻った彼は実家の料理屋さんで腕を磨きながら、
こつこつと店作りに取り掛かり、
2年前「縄屋」を開業しました。
店のしつらえからひとつひとつの器まで、じっくり吟味して選んでいます。
地元の新鮮な魚やお母さんが作った野菜を使い、吉岡君らしい誠実で丁寧な
仕事ぶりだったそうです。
出会ってから
13年。あどけなさが残る少年だった彼はもうすぐパパになります。

531日まで「藤井憲之・藤吉憲典 二人展」を開催しました。
シンプルでシャープな藤井さんの食器はプロの料理人や料理好きの人たちの
ファンが多く、今回もたくさんのファンのもとに嫁ぎました。
藤吉さんは初日に来てくれました。
こどもの頃から絵を描くのが好きだったそうです。
細部まで丁寧に描き込まれた染付は見ごたえのあるものでした。

今月は621日(土)〜28()まで「唐津からの風」と題した企画展を
開催します。出品作家は中川自然坊さん・梶原靖元さん・梅田健太郎さん・
内村慎太郎さんです。
唐津に新しい風を吹き込み、唐津ブームの火付け役となった自然坊さん。
「自然坊唐津」を確立しました。
古唐津のルーツを求め、研究と研鑽を日々重ねる梶原靖元さん。
自然坊さんに学び、自分自身の唐津焼を模索する梅田健太郎さん。
古陶磁に憧れ、やきものの道に進んだ内村慎太郎さん。
唐津焼の魅力を存分に楽しんでいただけると思います。

初日の21()午後5時半より梶原さんに「古唐津」を含めた唐津焼の話を
してもらいます。
内村さんも加わり、それぞれの唐津への想いを語ってくれることと思います。
是非お越しください。

 

7月の企画展のお知らせ

712日(土)〜19日(土)「古賀雄二郎(陶)・田代尚照(染付)二人展」を
予定しています。
古賀さんは今回初登場。愛知県新城市で仕事をしています。
以前から古賀さんの粉引などの器が気になっていました。
田代さんは巷談舎でもおなじみの作家です。
線彫りした中に呉須を入れる象嵌染付という独特な染付でファンをつかみました。
彼と古賀さんは瀬戸の窯業訓練校時代の同級生です。
今回、田代さんからの紹介でこの二人展が実現しました。
詳しくは次回お伝えします。

巷談舎  山根幸子

 

 


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