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- 備前焼きの窯詰め・窯焚き・窯出し −
 
     土と炎の芸術と言われる備前焼。その窯詰めから窯出しまでの様子をご紹介します。

     備前の窯詰めは作家ごとに独自の工夫ややり方があり、謂わば「企業秘密」のようなものです。

     今回、脇本博之さんのご好意に甘え、窯詰めから窯出しまでの写真を公開させていただきます。

     脇本さんは1年に1回窯を焚きます。1年かけて、土づくり、成形、窯焚きをするのです。

     窯焚きはその年の仕事の集大成とも言えます。

     ダイナミックな窯焚きの雰囲気を味わっていただき、一人でも多くの備前焼ファンを

     増やせたらと思います。


 これが備前焼の原土です。作るものによって土を変えますので、十数種の原土をお持ちです。
               割木は油分のある赤松です。窯焚きまでトタンで覆い乾燥させます。

                   1回の窯焚きで2,300束は使います。
                
             脇本さんの登り窯は備前でも大きい部類に入ります。窯の焚口をウド(運道)

                次が一番、二番・・・と呼びます。最後をケド(烟道)と呼びます。
      
   窯詰めです。横にしたり倒したり、重ねたりと

   いろいろな方法で詰めていきます。

   わりあい合理的に出来ています。

   炎の流れを考え、高く積んだりその手前は

   低く・・・・・。

   とにかく、いろいろ考えながら詰めていきます。

          正面から見た窯のすがた。

          中央下が焚口です。

  脇本さんの窯焚き日数は約20日です。「もせとり」

  と言って窯の湿気を取る(〜150℃)のに5日くらい

  かかります。最後の日は不眠不休です。


  *1日3交代(8時間X3)で窯焚きをします。
  もう炎も赤というより赤黄色。焚き口から棚の

  上の作品がぼんやり見えます。

  横焚きです。(窯の横の焚き口)もうとうに1000℃を

  越えてます。

煙突から黒煙を上げています。
窯の上の部分からも炎が
          長い窯焚きもやっと終了。

          全ての焚き口はレンガと

          泥で厳重に封をします。

          焚いた日数ほど冷ます

          日数をかけると良いと

          言われています。
    左端の壁面の花器には灰(黒)がたっぷり

    付いています。なかなかの焼けです。
  作品に割木の灰がかかっているのがわかります。

  下の方は作品が灰の下に埋った状態です。
   一番上の棚の花器には、たっぷり自然釉が

    かかっています。                

    上の棚のぐい呑は横に置かれているので 

    一方にゴマがかかっています。       
2006年1月に生まれた作品達
こうして毎年一回の窯焚きをして、新しい作品が生まれてきます。
川端文男さんの自然練込の土づくりと成形